人事評価と市役所の活性化
高橋支部長は人事評価制度をサポートする「㈱あしたのチーム」を創業され、
4000社を超える企業を人事の面から改革してきたとお聞きしていますが、
具体的にどのようなことをされたのでしょうか。
評価制度に特化したクラウドシステムを構築し、その膨大な「人事評価データベース」と
蓄積したノウハウを活用し分析から運用まで一貫したサポート行ってまいりました。
様々な企業に対応したナレッジが蓄積されているのですね。
私は船橋市議会議員として、船橋市役所に対して様々な提案をしているのですが、
度々職員について思うことがあります。
船橋市役所には優秀な職員が非常に多く、与えられた仕事をミスなく着実に遂行していることを
日々実感しているのですが、その反面、新しいことや既存の発想にとらわれない対応が苦手な
職員もいるように見受けられます。
人事評価がその要因の一つのようにも思えますが、職員がやる気を持って自発的に考え、
行動をする。
そういった組織を作るにはどうしたらよいでしょうか。
適切に「人」を評価することにより職員のモチベーションが上がことは
一般企業でも市役所でも変わらないと思います。
1990年代後半から2000年代初頭にかけて日本でも成果主義の導入が相次ぎましたが、一般
的には、「成果」イコール「実績」、「成果」イコール「数値で測れる結果」と考えられ、
評価に基づいて報酬や処遇を決まります。
市役所の場合は成果を報酬に結び付けづらい側面がありますが、
行き過ぎた成果主義では、短期的な実績、数値だけが重視され、
成果に至るまでのプロセスは無視されてしまいます。
行政は現時点での問題と同時に子どもの世代、孫の世代を考えて施策を
実行しなければいけません。
だからこそ、研究や人材育成をはじめ、長期にわたる目標の設定や
チャレンジが必要になります。
したがって人事評価は、プロセスにもフォーカスを当てなければうまくいきません。
そして、プロセスにフォーカスを当てて評価するためには「コンピテン
シー」いわゆる行動目標が必要となります。
適切に「人」を評価する。そのためには短期だけでなく長期、
つまりプロセスにフォーカスを当てて評価する必要はあるかもしれませんね。
その点に関しては公も一般企業も変わらない部分が多くあるかと思います。
船橋市役所は、5000人規模の巨大組織であり職員の「やる気」を
引き出すことができれば組織自体を活性化し、結果として市民に多くの利益を
還元することができます。
そういった意味では、人事評価は組織に多大な影響を与え、
ひいては市民生活に直結する重要な課題と考えなくてはいけないのでしょうか。
はい。人事評価制度の改善は組織の文化やパフォーマンスに直結し、
職員の継続的なモチベーションの維持によって帰属意識が高まり
生産性が著しく向上します。
そして強固な帰属意識は組織の文化をより明確化し、長期的な成功の基盤になります。
既存職員の潜在能力を活かすことは中長期的な組織の成功に不可欠で、
評価制度はその「核」となります。
またスキルを適切に評価することにより、職員のキャリアパスはより明確になっていきます。
つまり、職員の個々の成長が組織の発展に直結するわけで、その根本的な部分は公でも
私企業でも大きく変わりません。
私は今まで「人事評価」というのは、総務部門の数ある仕事の一つとしか
とらえていませんでしたが、こうやって対談をさせていただき「人事評価」つまり、
人をどう評価し、どう動かし、どう「やる気」を出させるかが、
組織存続に直結する極めて重要な要素だと確信しました。
米原さんがおっしゃる通り、人事評価は組織存続に関わる重要な要素となります。
だからこそ、船橋市役所も人事評価について、真剣に向き合わないといけないのです。
人事評価の重要性について理解しました。
少子化が進み、この先優秀な人材の採用についても真剣に考えていかないといけません。
人材採用についてはどうお考えでしょうか。
優秀な人材に選ばれるための魅力的な組織にならないといけないです。
そのためには、過去のやり方から脱却して、発想を転換しなければいけなく、
変化できなければ、優秀な人材は他の自治体や企業に行ってしまいます。
一人ひとりの能力開発も含めた評価制度という原理原則を大切にして、
採用についても考えていく必要があります。
そうですね。
船橋市は比較的「選ばれやすい」自治体ではありますが、
価値を高めていかないと、今後も継続して優秀な人材が来てくれるとは限りません。
高橋支部長との対談で得た知識をベースに船橋市役所の今後についても
議論を重ねてまいります。
本日は貴重なお話、誠にありがとございました。
高橋 恭介
自由民主党 第十四選挙区支部 支部長
㈱給与アップ研究所 代表取締役
ゲストプロフィール
千葉県立船橋高校、東洋大学経営学部卒業後
みずほリース㈱を経て、プリモ・ジャパン㈱ 取締役副社長、台湾法人代表を歴任。
㈱あしたのチーム創業、全国47都道府県に拠点を開設し中小企業4000社の賃上げに貢献。
経営者の目線で政治改革に取り組む。
※記載の経歴・内容は対談当時のものとなります